ご挨拶

佐賀大学は旧佐賀大学と佐賀医科大学を統合して15年前に新たに発足しました。医学部は医科大学の時代を含めて40年が経過し、この間に養成した医師、看護師は九州はもとより全国で活躍しています。 統合後の佐賀大学では、芸術的感性豊かな、多様性に富むグローバルな視野を持つ地(知)の拠点となることを目標に掲げて活動しています。2017年6月には、それまでの男女共同参画室を改組し、ダイバーシティ推進室を設置し、女子学生や女性研究者支援だけでなく、留学生や外国人研究者支援、そしてダイバーシテイに対する理解を深めるための啓蒙活動を行っています。大学としても、単に数値目標を達成することに重きを置くのではなく、多様な人材が各部門において真の活力を発揮できる大学を目指しています。

そのような状況の中で、2017年度に厚生労働省から委託された女性医師キャリア支援モデル普及推進事業は、佐賀大学医学部および附属病院における女性活躍の機会を拡充しました。働き方改革が叫ばれる今日、医学、医療分野での女性の活躍は、少子高齢化社会に突入した我が国にとって大きな活力になると思います。本年度の女性医師キャリア支援モデル普及推進事業では、さらなる医学研究の活性化と地域医療の充実を目指したいと考えています。

皆様のますますのご理解とご支援をお願い申し上げます。

佐賀大学学長  宮﨑耕治

 

 

佐賀大学医学部医学科は全国の大学医学部の中でも女性比率が高く推移しています。本学医学部附属病院では、平成22年より佐賀県の女性医師就労支援事業の事務局を卒後臨床研修センターに置き、女性医師の就労支援に取り組んで参りました。また、平成28年からは医学部における男女共同参画の推進のために、医学部ダイバーシティ推進委員会を立ち上げ、活動を始めています。全医師のうち女性医師が占める割合は全国的にも増加していることが知られていますが、佐賀では、その変化が早く訪れているのかもしれません。医療現場では女性の活躍が欠かせませんが、看護師等に比べると医師は制度整備も未だ途上にあると言わざるを得ません。このたび本学が厚生労働省の女性医師キャリア支援モデル普及推進事業の委託を受けたことは大変名誉なことです。性別に関わらず、育児や介護など家庭内の役割を果たしながらプロフェッショナルな医師として、活躍できる環境の整備へ一つの階段を上がる機会をいただきましたことを御礼申し上げます。性別に関わらず指導的地位にも女性医師の力が活かされる環境整備へ歩みを進めて参ります。

佐賀大学医学部 医学部長  原英夫

 

 

 

佐賀大学医学部附属病院は、「患者・医療人に選ばれる病院を目指して」との理念を掲げております。医療現場では、24時間体制で多様なニーズに応えながら地域の拠点病院としての役割を果たすべく努めております。多くの医療現場には、女性人材が多いのですが、女性が家庭内の役割を果たしながらキャリア継続を行える環境の整備は未だ途上にあります。院内には、平成22年より佐賀県女性医師就労支援事業の事務局を卒後臨床研修センターに置き、佐賀県内の女性医師の就労支援に取り組んで参りました。その過程で、出産や育児期の女性医師の短時間勤務制度を導入し、県域の病院とも協力しながら、医師としてのキャリアの継続を支援しております。病院の目標である、良き医療人の養成や高度な医療技術の開発研究には、女性医師の関わりもとても重要です。24時間より良い医療を提供できることと、医師のキャリア形成、そして医師自身の生活者・家庭人としてのあり方は、現在の働き方改革の議論のなかでも課題として取り上げられています。本委託事業により、本院の医師の課題の抽出やライフイベントにかかる女性医師や女性医師を取り巻く医師の課題の共有、ネットワークの重要性が明らかになって参りました。病院活性化の一つとして、こうした機会に恵まれましたことを感謝しながら、貴重な経験を活かし、取り組みを継続させ、温かい笑顔溢れる病院として地域に貢献できるよう今後も努めていきたいと考えております。

ご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

佐賀大学附属病院病院長  山下 秀一